ディープノスタルジア

ディープノスタルジア

MyHeritageマイヘリテージは、イスラエルの家系図サービス企業で、現在遺伝子検査キットの提供も行なっている。

遺伝子検査では、先祖解析サービスもあり、血筋や民族のルーツなどを調べられ、ルーツだけでなく、遺伝的な疾患リスクなどを解析するサービスもある。

MyHeritageの家系図サービスと連携させながら、血縁者を検索できる機能もついている。

ファミリーツリーは無料で家系図を作成できるサービスで、サービス上にMyHeritage DNAで解析した遺伝子検査のデータをアップロードすることが可能です。

ファミリーツリーでは「MyHeritage DNA」のほか、「23andMe」と「AncestryDNA」のデータアップロードも受け付けており、遺伝子検査と家系図のデータを照らし合わせながら血縁者を探せる機能が特徴です。–  「MyHeritage DNA」とは?日本で買える海外の遺伝子検査キットを紹介

このMyHeritageで、新しいサービスとして提供が始まったのが、「ディープノスタルジア」である。

写真をアップすると、AIによって動きをアニメーション化する機能で、遺影のような死者の写真や過去の偉人も、まるで束の間生き返ったように画面のなかで自然な動きを見せる。

このディープフェイク的なサービスである「ディープノスタルジア」には、魔法のようだ、という声もあれば、不気味だ、という声もある。

どんな写真でも動かすことができることから、現在生きている人間の写真にも利用できてしまうので、悪用防止のために、音声は追加できず、アイコンが表示されるようになっている。

ディープノスタルジアは、イスラエルの顔認識技術企業、D-IDの「Live Portrait」という技術が採用され、Live Portraitでは、音声も追加できる。

MyHeritageの公式YouTubeでは、同技術を使用し、リンカーン大統領が、まるで生きているように動き、語り出す映像も公開されている。

この情緒的なサービスで人々の心を掴み、より多くのDNA検査の売り上げや情報の取得に繋げたい狙いがあるようだ。

一方、遺伝子情報も含め、個人情報の管理という点で、不安も残る。その不安を、ノスタルジーによって安心させたい、というPRの一貫なのかもしれない。

2020年、ノルウェーの消費者委員会は国家消費者保護庁とデータ規制当局に対して、MyHeritageの利用規約を法的に審査したところ、同社が消費者に署名を求めている内容が「理解不能」と判断されたことを報告している。

また2018年には、MyHeritageは大量のデータ漏洩を引き起こしている。後に、漏洩したデータは、アカウントのハッキングによって引き出された大量のキャッシュ情報とともに、ダークウェブで売買されていたことも判明している。 –  MyHeritageが古い家族写真をディープフェイク技術でアニメーション化

遺伝子系図をもとに追跡が可能になることで生じる懸念、DNA情報のプライバシー問題については、昨今メディアでも取り上げられている。

米科学誌サイエンスに掲載された研究論文は、「遺伝子系図」には、プライバシーに関する様々な問題があると指摘する。例えば、一般向けのウェブ分析サービスを使い、ある利用者が自身の祖先について調べたとする。

しかし、提供されたその情報は、第三者がその利用者の血縁を調査する目的で使われて良いのだろうか ─── それが事件がらみの場合はどうだろうか。– 「遺伝子系図」で米国人の大半を特定可能に、プライバシーの問題も|AFPBBNEWS

DNA情報で近い人間を「検索」できることで人物の特定が可能になっていく。

米国では「現在、ほとんどの人がこうしたデータベースで『みいとこ』まで分かる状況に近づきつつある」とMyHeritageの科学主任は語っている。

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