クライオニクスとは〜費用や日本人女性の依頼者〜

クライオニクスとは〜費用や日本人女性の依頼者〜

画像 : クライオニクスの施設を提供するクリオロス社

クライオニクス(Cryonics)とは、人体冷凍保存を意味する。また、遺体を冷凍保存し、いずれ訪れる科学の発達を待ちながら「再生(解凍)」や「永遠の命」を求める思想そのものを意味する。クライオニクスは、人類の「死」の克服を目指す技術及び思想であり、人体を科学によって進化させる「トランスヒューマニズム」の考え方とも関連する。− 「人類はいずれ、ロボットになる」トランスヒューマニストが語る「不老不死」の必然|日経ビジネス

現在、アメリカのアルコー延命財団や、ロシア・モスクワのクリオロス社でクライオニクス(人体冷凍保存)の研究が行われている。クリオロス社では、頭部のみ(ニューロ・プリザベーション、ニューロ・オプション)の場合が940万円、全身の場合は1760万円という費用で、遺体の冷凍保存を行うサービスを請け負っている。なぜ頭部のみの保存という選択があるかと言うと、頭部さえ残っていれば、将来的にクローン技術を活用することもできる。また、別の脳死した人体に頭部だけを備え付けたり、機械の体に頭部をつけることも可能になるということを見越して保存されている。存命中の冷凍保存は、現在の法体系では許されていないため、クライオニクスの処置は、法的な死亡を経て開始する決まりになっている。法的な死亡とは、通常「心肺の停止」を持って判断される。心肺が停止しても、すぐに細胞の全てが死滅するわけではないので、「死」と判断されたあとの迅速な対応(冷凍保存)がクライオニクスには求められる。

ロシアのクリオロス社の研究施設の写真(冒頭)を見ると、数々の国旗に混じって日本の国旗も掲げられている。クリオロス社では、ミチコという日本人女性の遺体も冷凍保存されていると言う。「ミチコ」とは一体どんな人物なのだろうか。クリオロス社のホームページには、冷凍保存されている遺体の数や情報も公開されている。その掲載情報によると、クリオロス社では総勢49人の人体(2017年掲載情報)の他、犬や猫などペットも冷凍保存され、「再生」のときを待ちながら眠っている。そして、その一人に、「日本人」も含まれる。この日本人が冷凍保存された日付は、2014年10月28日とあり、横浜市の女性で、「Fullbody(全身)」と記載されている。さらに詳細を見ると、その日本人女性の顔写真も載っている。

今はまだ、日本では遺体を冷凍保存する施設は存在しない。しかし、日本のクライオニクスを推進する組織「日本トランスライフ協会」では、トランスライフ協会が遺体を冷凍保存し、クリオロス社に空輸する、という代行サービスを提供している。

私ども日本トランスライフ協会(JTLA)では、Kriorus社(ロシア連邦)と連携をして人体の長期冷凍保存を行うサービスを提供させて頂いています。

医師の死亡診断後に、患者(故人のご遺体)を低温(約-70~-80℃)に保ちつつ、日本からロシアへ空輸し、モスクワ近郊にあるKriorus社のクライオニクス施設にて長期の冷凍保存(約-196℃)を行う内容です。遺体の国内搬送、冷却保管、書類手続き、契約のサポート、納棺梱包、空輸等の一連の内容が含まれております。

私どもでは、希望する方全てに上記サービスをご提供したいのですが、様々な制約が御座います。(経済的な制約やその他の制約)事前にお問い合わせをお願いします。 – 日本トランスライフ協会「クライオニクス(K)」

トランスライフ協会の会員は、30〜60代の医者や研究者、会社経営者など10数人で、全てが男性だという。代表理事である鈴木氏も、自身の死後の冷凍保存を希望している。ただし、冷凍保存はあくまで繋ぎで、理想は、「生きている間に、知能や人格がコンピューターの中に移すことができれば一番いい」と語っている。なぜ、それほど「生きたい」のか、という質問に、「死にたくないという思いもあるが、未来が見たいという思いが強い」と答えている。

クライオニクスの完成、すなわちいつ頃から「再生(解凍)」の技術が実現可能になるか、という時期についてはまだ分かっていないが、一説では、「2040年」頃ではないか、という予測もある。 –  参照 : 蘇生を願い、人体を冷凍保存する人々 写真16点|ナショナルジオグラフィック

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