オーウェルのペンネームの由来

オーウェルのペンネームの由来

全体主義ディストピア文学の代表作『1984年』の著者として知られる作家のジョージ・オーウェルは、1903年、イギリス植民地時代のインドのネパール国境付近の小さな町で生まれる。

この地は、アヘンの一大生産地で、オーウェルの父は、イギリスのアヘン局の役人として滞在していた。父の仕事内容は、アヘンの製造や密売の取り締まりではなく品質管理であった。

ジョージ・オーウェルという名前はペンネームで、本名はエリック・アーサー・ブレアと言う。

生後一年のときに姉とともに母に連れられ、イギリスに移ったオーウェルは、しばらくのあいだイギリスで暮らし、1922年に戻ると、在ビルマのイギリス領インド警察の下級官司として務める。

決して金銭的な待遇は悪くなかったようだが、帝国主義の片棒を担ぐような仕事が嫌だったこと、また作家を目指していたことから、数年後にこの仕事を辞める。

困窮者のルポを書こうと考えたオーウェルは、パリで皿洗いとして働き、また浮浪者にまじってロンドン周辺を放浪しながら、文章を書き続ける。

このときの経験をもとに、1933年、オーウェルにとって初の著作となる『パリ・ロンドン放浪記』を、ジョージ・オーウェルというペンネームで出版する。

インド帝国の警察官としてビルマに勤務したあとオーウェル(1903―50)は1927年から3年にわたって自らに窮乏生活を課す.その体験をもとにパリ貧民街のさまざまな人間模様やロンドンの浮浪者の世界を描いたのがこのデビュー作である。 – ジョージ・オーウェル『パリ・ロンドン放浪記』岩波文庫

オーウェルという名前は、彼が放浪中に使っていた偽名の一つで、その偽名をペンネームに使ったようだ。

ジョージ・オーウェルが、本名ではなくペンネームで作家活動を始めた理由として、以下の二つの点が挙げられると言う。

1933年1月8日(木)に、エリック・ブレアはジョージ・オーウェルになる。彼がペンネームを使うのには二つの理由があった。ひとつは、彼の作品を出版する出版社が裁判沙汰になることを避けたいということである。そしてもうひとつは、両親と姉に迷惑をかけたくないという気持ちである。 – 中窪靖『ジョージ・オーウェルの作品と彼を描く伝記と』

ちなみに、ペンネームとして他に候補に挙がっていたのは、P・S・バートン、ケネス・マイルズ、H・ルイス・オールウェイズだった。

実際に選ばれた「オーウェル」は、イギリス東部のサフォーク州を流れるオーウェル川に由来すると考えられている。

The writer Eric Blair chose the pen name under which he would later become famous, “George Orwell”, because of his love for the river. – Wikipedia「River Orwell」

オーウェル川のWikipediaによれば、作家のエリック・ブレアは、後に有名になるペンネーム「ジョージ・オーウェル」を、その川への愛ゆえに選んだ、とある。

Suffolk – River Orwell & Orwell Bridge

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