「反ワクはゴキブリ」

「反ワクはゴキブリ」

このパンデミック騒動のなかで、特にワクチンを打たない人たちのことを「反ワク」と一括でまとめて蔑視の対象とする風潮がある。

科学的正しさや多数派が、歴史的に振り返って見れば、結果として間違っていたり悲劇に繋がっていることもあるのに、よほど今の自分たちが絶対の正義として疑いがないのだろう。

そもそも、「反ワク」の定義とは一体なんだろうか。

打てば感染しないということや、ワクチンによる集団免疫で終息、などというのが幻想だったことは今や明らかになっている。接種者も次々感染している。逆効果になり得る懸念も当初から一部の専門家は指摘している。

自分で調べ、様々な意見を聞き、あるいは自身の体験や状態から、メリット・デメリットを考慮し、打つ、打たないを決める。

このとき、「打たない」と決めた人が「反ワク」なのだろうか。2回で、もういいや、と思った人たちが「未接種者」扱いになるなら、彼らもまた「反ワク」であり、あるいは、4回目、5回目と延々打ち続けることを拒否した人も、「反ワク」なのだろうか。

個人的には、むしろ今の流れのほうが、強硬なワクチン全体主義であり、全員が同じ思想を持つべきだと強要されているように思う。そして、ちょっとでも反するなら、異端者にされる。

別に、この世界から全部のワクチンを捨て去り、すでに接種した人たちも社会から排除しよう、と言っているわけでもない。個人の自由であり、打ちたい人は打ったらいいし、もちろん「お前の分までよこせ」などと言うこともない。

Abema News

最近のAbema News、経済学者の成田雄輔さんと、手を洗う救急医Taka(Twitter)こと木下さん。この際、Abemaは、「反ワクとの戦争」という表現を使っている。

色々な理由で打たない人がいる、2回で副反応が辛いからやめようという人もいる、被害に苦しんでいる人もいる、支えている人もいる、遺族もいる、「反ワクとの戦争」はちょっと酷いんじゃないかと思う。

戦争なら、嘲笑交じりに片一方の意見だけを紹介するのではなく、せめてもう少し反対側の声も平等に届けてほしいと思う。

成田さんは、「木下さんのようにデータや論文に基づいて冷静に話すワクチン派と、心にぶっ刺さる演説や涙の大絶叫で語るワクチン反対派の闘い」という印象付けを兼ねた二項対立で語っているが、この番組だけでなくマスコミ全般、政府、テレビ専門家といった「我々」と、外敵であり、潰す必要がある「反ワク(小さな敵国)」との戦争、というように見える。

冷静に話す、と言うが、木下さんは、以前、コロナワクチンについて、「ヤバすぎ」「無敵のワクチン」「mRNAワクチンは神」などと言っている。

神なのだから、「反ワク」が許せないのも仕方がないのかもしれない。僕自身は、その信仰ももちろん自由で、個人が神と崇めることを全然止めるつもりはなく、ご自身で様々な病気のmRNAワクチンを打ち、思う存分「完全予防人間」を目指せばいいと思うが、強要されたり、差別システムを構築されたり、言葉を封じられるようなら、抵抗せざるを得ない。

ワクチンをただ打たなかったり副反応被害について語るだけで、「反ワク」とレッテルを貼られて敵視される、ワクチンパスポートのような形で社会から排除される、YouTubeで弊害について触れたら即削除される、といった事態は、相当恐ろしいことだと僕は思う。

先日も、ホリエモンこと堀江貴文さんは、「ワクチンを打ってないことを自慢したり、『打つ、打たないは個人の自由だ』なんていう人は、僕は本当に社会からいなくなってほしいと思います」と発言している(参照 : 堀江貴文氏、ワクチン接種に反対する人は「本当に社会からいなくなってほしいと思います」)。

彼は、昨年の夏頃にも、この新型ワクチンの接種を「バンジージャンプ」に喩え、全員がバンジージャンプを飛ぶべき、と語っている。

また、ある医師は、反ワクはコロナで重症化して亡くなるから、数年で確実に減っていくと言い、別の医師は、彼らは頭も性格も悪く、数千年で淘汰されると言う。他にも、反ワクはゴキブリと同じで、人類にとって百害あって一利なしだが人類が滅びるまで生き残る、と言っていた医師もいる。

反ワクが、放っておいてもコロナで死んで淘汰されるのか、ゴキブリ扱いで百害あって一利なしだが人類が滅びるまで生き残るのか(場合によっては「駆除(虐殺)」の必要があるのか)、どうぞ悪趣味な議論をしておくれ、と思う。

ちなみに、アフリカなどは人々の不信感もあるようで接種率が低い国々も多い。たとえばマダガスカルは、大統領が「打たない」と公表し、全体の接種率も5%程度だが、コロナの被害は小さい。

アフリカは検査体制が整っていないから状況が把握できていないだけだろうという声もあったが、だったら、彼らにとっての多数派である未接種者(こちらの定義で言えば「反ワク」になるのだろう)が続々と死亡し、「淘汰」されていっているのだろうか。

それほどの「悲劇」を、実際周りの状況を見て目の当たりにしているのであれば、自然と接種率も伸びていくものなのではないだろうか。

 

追加接種に関して言えば、他の地域や先進諸国でも、打っていない人は少なくない。彼らも皆「淘汰」されていくのだろうか、あるいは、百害あって一利なしの「ゴキブリ」なのだろうか。

本人たちは、正義感から言っているのかもしれないが、冷静になって考えれば、特定の国々や人種の排斥にも繋がる、危うい差別感情や全体主義思想がむき出しの考え方ではないかと思う。

所詮は現代も、未熟な一時代に過ぎない、という謙虚さも必要なのではないだろうか。

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