モデルナのCM

モデルナのCM

モデルナが、最近、テレビでCMを流しているというので興味を持った。どのテレビ局や番組で流れるCMなのか分からないが、報道系なら尚更、企業の製品に問題や疑惑が発覚しても否定的な声は報じられなくなるのではないだろうか、などと考えながら、モデルナのホームページに掲載されていた実際のCMを観ると、宗教的な印象さえ抱かせる壮大な雰囲気に驚かされる。こういう映像がお茶の間で流れてきたら、どんな感想を抱くのだろう。

ゆったりとした重々しい女性の声で詩のような文章が朗読される。CMのナレーションは、女優の夏木マリさんである。

空が回っているのではない、
地球が回っているのだ。

真実に気づくことで、
人類は進化する。

そして今、
私たちは気づいた。

病気と闘うのは薬だけではない。
体が持つ闘う力を引き出すのだ。

それを可能にしたのが、
ヒトの細胞に指示を出すmRNA。

薬は変わる。生命力を信じて変わる。

モデルナ。

*ロゴは、mRNAという文字がmodernaに変わり、その下には、this changes everythingと表示される。

このモデルナのCMに関し、かっこいいという感想を抱く人もいるだろうし、気持ち悪いという印象を持った人もいると思う。

個人的には、まず、人の細胞に「指示」を出し、体が持っている闘う力を引き出すことが、「生命力を信じて」いる、と表現することに対し、物は言いようだな、と思う。それから、「進化」という言葉も気になる。進歩や発展ではなく、進化であり、CMの最後には、「いちばんの可能性は、人間の可能性だ。」というコピーも入っている。「人間の可能性」とは、どういう意味だろう。人為的に介入し、どこまで「進化」させることができるか、ということを言っているのだろうか。だとすれば、露骨にトランスヒューマニズム的な思想だなと思う。

僕自身としては、自然への畏怖の念もなく、むしろ生命力を信じていない、もっと言えば、生命全体のことを蔑視しているのではないか、とさえ思う。

>>「トランスヒューマニズム」とは|日本トランスヒューマニスト協会

このモデルナのCMを目にし、人類の進化だ、素晴らしい、よし、接種しよう、と思った人は一体どれくらいいるのだろう。逆に、これまで普通に捉えていたものが、思っていた以上に大事おおごとだと認識し、怖い、と思った人もいるのではないだろうか。田舎のおじいちゃんおばあちゃんは、このモデルナの映像が、自分の接種している医薬品に関するCMだとは気づかないかもしれない。人類が、神の領域に踏み出そうとしているような大仰な映像や音楽、ナレーション、そして「進化」という言葉が不気味に響く(実際、「mRNAワクチンは神」と言っていた医師もいた)。彼らの言葉や態度を見ていると、「驕れる者久しからず」という慣用句が浮かぶ。

モデルナは、政府が一定期間購入を約束するということを前提とした10年契約という形で、日本にmRNA製造工場を建設する計画を検討していると言う。CMは、その地均しだろうか。また、今後はインフルエンザなど他の感染症に対しても続々とmRNA化していくことになるのだろう。

米バイオ製薬モデルナが、新型コロナウイルスワクチンの国内工場の建設を検討していることが分かった。10年間のパートナーシップ契約を結び、政府が一定期間ワクチンを購入することが工場建設の前提となる。

– モデルナが日本で工場検討 CEO、政府との10年契約前提|日本経済新聞

mRNAワクチンは新型コロナワクチンで成功を収め、各社はそれを基礎にほかの感染症でもこのタイプのワクチンの開発を急いでいる。

– インフルのmRNAワクチン、実用化近づく モデルナに続きファイザーも最終治験開始|Forbes

日本語の「くすり」という言葉の由来は、一説には、「すしき力」を発揮することから「くすり」と呼ぶようになった、という話がある。「奇すしき」とは、「並より優れた、不思議な、霊妙な」という意味で、この「くすり」に、大陸から伝わった「薬」という字を当てたそうだ。当時の医学は草木を使った漢方であり、草木によって体が楽になるという意味の「薬」を使ったという説がある。また、「楽」の旧字の「樂」は、「小さくすりつぶす」という意味もあると言う。

古臭いと思われる「薬」のほうが、本当の意味で「生命力」を信じているのではないだろうか。「ヒトの細胞に指示を出すmRNA」という発想には、身体、すなわち自然を人類の支配下に置く、という自然観があり、その根底には、生命力に対する、絶対的な「不信感」があるのではないかと思う。

このCMを観ていると、「復讐」に遭わなければいいが、と思わずにはいられない。

福島雅典(京都大学名誉教授): そもそもCOVID-19のワクチンは、米国における早期臨床試験の結果が出た段階で、特例承認されたものです。いわば見切り発車で、安全性と有効性が十分確立していません。しかも現場の医師が「おかしい」と感じてわざわざ報告したものだけで接種後の死亡が1779件(22年7月10日現在)、重大な事態です。……こうした「事実」に対して不誠実な姿勢を取らず「因果関係が否定できない」と全数調査をかけることです。これは科学上当然のことで、それを行わないのは科学的怠慢です。今後ワクチン接種者の中長期的な副反応を厳重に観測し、被害者調査、死亡者調査を、国が責任を持ってやるべきです。

– 特別インタビュー 科学的怠慢に満ちた国の新型コロナ対応|兵庫県保険医協会

ワクチン接種後に亡くなった人の遺族12人が20日、遺族会を結成し、東京で会見を開きました。今後、国を相手取った集団訴訟を予定しています。

接種後に夫が死亡した須田さん「ワクチンが原因で亡くなったと、国に必ず認めてもらいたい。ここから遺族の皆さんと共に、大切な家族の無念を晴らすべくやっていきたい」

……遺族会には他にも118人が参加予定で、今後国に対し、死亡とワクチンとの因果関係の認定を求め、集団訴訟を起こす方針です。

– 「ワクチンが原因で亡くなったと国に必ず認めてもらいたい…」新型コロナワクチン接種後に亡くなった人の遺族12人が遺族会結成 集団訴訟へ|CBC news

名古屋大学 小島勢二名誉教授  : ワクチンを打てば打つほど感染しやすくなると警告する専門家もいるが、最近のコロナのまん延状況からは、あながち、否定もできない。

– 4回目ワクチン接種でコロナの感染は増加する?(AGORA)

東京理科大学 村上康文名誉教授 : mRNAワクチンの接種を繰り返せば、免疫の働きがスパイクたんぱくばかりに偏ってしまう結果、悪性腫瘍(がん)や他の病原体に対する免疫力が低下してしまう恐れがある。

– コロナワクチン接種後死亡、遺族が集団提訴も 国は因果関係認めず ワクチン接種の影(上)|日経ビジネス

果たして、人類はどこへ行くのか。“命を大切にする”とは、一体どういうことか、様々な角度から光を当て、深く考えてみたほうがいいのではないかと思う。

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