パンデミック条約とは

パンデミック条約とは

世界保健機関(WHO)が、「パンデミック条約」に関する議論を進めている。これが結構危ういのではないかという声も少なくない。

詳しいことはまだ分からないが、パンデミック条約に関し、これまで情報を追いかけた範囲のことや個人的な感想を纏めておこうと思う。

パンデミック条約とは、パンデミックに備えた国際協調について取り決める条約で、WHOのテドロス事務局長は、パンデミック条約の目的として、「法的拘束力のある条約を作り、現在のコロナ禍で多くの国々が利己的な行動をとった事態を繰り返さないようにするのが目標だ」と語っている。

分かりやすく言えば、パンデミック下では、WHO加盟国がWHOの管理下に置かれる、ということになるのではないかと思う。

各国が、ルールに従っているかを監視するメカニズムも検討されている。

各国が合意済みのルールに従っているかを監視するメカニズムも検討事項の1つになりそうだ。既存の監視システムはパンデミック発生後から2年間、大半の国が守らなかった。少なくとも現行のシステムより効果的なものが期待される。 –  WHO特別会合、パンデミック条約議論開始で合意

国独自の事情や考えよりも、WHOの提示するルールを守るように監視システムも構築する、ということは、一見すると、国際協調やパンデミック対策のために必要なことのように思えるかもしれない。

しかし、それはWHOが、全くの無垢な組織であり、絶対に正しく、人権や経済など各国の諸事情にも配慮したルールを設ける、という前提になる。

パンデミック条約が進むと、公衆衛生にまつわる国の主権を手放すことになる(それは、世界中が同じことをしろ、というグローバル全体主義と紙一重と言える)危険性があるのではないかと思う。

たとえば、ロックダウンやワクチンの強制は、たとえ国の憲法で禁止されていても、パンデミック条約によってWHOの権限が強化されることで可能になる、ということは本当にないのだろうか。

また、改憲の議論のなかで挙がる緊急事態条項については、「感染症も対象にすべき」という声もある。「パンデミック条約」と「緊急事態条項」の両者によって、いっそう人権への歯止めが効かなくなるのではないか、という不安もよぎる。

そもそものパンデミック条約に向けた直接の始まりは、2020年4月のイベントだとニューズウィークの記事にはある。中心となったのは、テドロスWHO事務局長、フランスのマクロン 大統領、ライエンEU欧州委員会委員長、ビル&メリンダ・ゲイツ財団とある。

2020年4月下旬、テドロスWHO事務局長、マクロン・フランス大統領、デア・ライエン・EU欧州委員会委員長、そしてビル&メリンダ・ゲイツ財団が共同で、イベントを開催した。5大陸の首脳27人が署名した「パンデミック条約」の仕掛け人と中身 ニューズウィーク

ビル&メリンダ・ゲイツ財団と言えば、ワクチンに熱心で、Microsoft創業者のビル・ゲイツもワクチン会社に投資していることは有名である。

ゲイツ氏は、ワクチンを拒否したテニス選手のジョコビッチに対し、「ワクチン接種は自分が属する地域社会を助ける。それらは完璧ではないが、感染拡大を大幅に抑制する。地域社会の保護に参加できないと感じる人がいるのは残念だ」と批判している。

大幅に抑制などと、一体どこにそんな話があるのだろう。

接種率の高い地域で感染が増加するなど、逆の話はある(参照 : ワクチン接種90%超えたシンガポール…100万人当たり感染者数が世界1位に)し、接種率の低い(しかもコロナ被害も少ないが、それでもなんとしてもWHOが打たせたがっている)アフリカでも、なんの問題もないことは歴然だ。

また、ゲイツ氏は、別の場所で、「コロナはゼロになるくらい低い水準にならないと終わらず、アメリカでワクチンの接種率が100%にならないことに目を疑う」と語っている(参照 : ビル・ゲイツが語る「次のパンデミックへの備え」そして「“あの”陰謀論について思うこと」)。

コロナはゼロにならないと終わりではなく、アメリカで接種率が100%にならないことに目を疑う、という発想が、恐ろしく大雑把だと思う。

この人が、なぜこれほど影響力を持ち、感染症に関して繰り返し大手メディアで取り上げられるのか、全く分からない。

お金持ちではあるだろうし、WHOやワクチン関連に資金も出し、その意味での影響力は大きいのだろう。

だが、人間と自然のことや、一人一人のことについては、彼の話を聞く限り、個人的に「賢い」ようには思えない。人間も、この世界も、まるで機械のように捉えているのではないかとさえ思える(それぞれの分野で活きる「賢さ」があるのではないだろうか)。

Gaviワクチンアライアンスも、ゲイツ財団主導で、2000年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)のときに設立されている。

WHOに誰がお金を多く出しているかを見ると、ゲイツ財団や、このGaviワクチンアライアンスの名前があり、その影響は決して少なくないと考えるのも自然だと思う。

ゲイツ氏は「億万長者の社会貢献活動」が機能していることを示すために、短期間で測定可能な成果を出すことに思想的な関心があるとマクゴイ氏は考えている。「成果を早く出すことは、ゲイツ氏の名声を揺るぎないものにする助けになるので、個人的な関心があるのだろう」と話す。

WHOの高官の中にはゲイツ氏の優先課題に異議を持つ人もいる。しかし、ゲイツ氏の支援を失うことを恐れて、同氏を批判したがらない。米ニューヨーク・タイムズ紙によれば、「ゲイツ萎え」と呼ばれるほど、このような自粛は広まっているという。 – 大きすぎる?ビル・ゲイツのWHOへの影響力

WHOが、そんなに無垢の組織ではないことに関しては、2009年の新型インフルエンザ騒動のとき、まだ大手メディアも批判的に報じていたのに、そういうジャーナリズムはもうどこかへ行ってしまったようだ。

東京新聞

このWHOが、強大な権限を持って、国を管理下に置くパンデミック条約に対しては、ほとんどのマスコミも政治家も沈黙を守っているが、相当警戒心を持つべきだと思う。

世界では、ブラジルのボルソナロ大統領や、アメリカのデサンティス州知事(フロリダ)、ドイツのクリスティーネ・アンダーソン欧州議会議員などが、パンデミック条約に反対の声を挙げている。

選挙で選んだわけでもなく、資金源からの影響力も大きいと考えられる組織に、強大な権限が集中し、国の主権が奪われ、自分たちの自由が監視されるとなったら、怖いことではないだろうか。

また、「パンデミック」の定義自体が曖昧で、その病気の重症度や致死率は考慮に入れずに、地理的にどれだけ広がったかによって決められる。

PCRで無症状まで拾い集める(インフルエンザも、ノロウイルスも、無症状が一番多い)体制と、重症度は問わないパンデミックの定義なら、容易に「パンデミック宣言」をし、権力集中が行われる危険性がある。

WHOの定義では、パンデミックとは新しい感染症が世界的に大流行する状態を指します。……また、一部の専門家が指摘するように、パンデミックは感染症の重症度ではなく地理的な拡大範囲のみが考慮される言葉です。

(中略)

結局のところ、パンデミックを宣言するかどうかはWHOの事務局長次第です。 –  新型コロナウイルス高まるパンデミック可能」、そもそもパンデミック何か

WHOの事務局長次第で、パンデミックが宣言され、強力な権限を手にすることができる。では、その判断に、影響を与えるのは誰か、という話になる。

以下は、先ほどの疑惑とも関連する、2010年の指摘である。

重症度を考慮に入れないパンデミックの定義は公衆衛生からみて大きな問題がある。又、WHOのパンデミック宣言がワクチンや抗インフルエンザ薬を製造販売した製薬企業に莫大な利益をもたらしたことは事実であり、利益相反問題をきっちり検証する必要がある。 –  薬害オンブズパースン会議 2010.2.26

パンデミックの定義も曖昧だったり恣意的に決められるなら、出口である「終息」も、彼らの意のままになるだろう。

WHOは、この病気の重症度などではなく、世界の70%以上が接種、ということを、「終息」の定義としているように思える発言をしている。

彼らの「目的ゴール」とは何か。こんな状況で、WHOに委ねる仕組みを進めてしまっていいのだろうか。

金銭的な問題はもちろん、中国が行なっているように、特定の地域だけ、ロックダウンで経済を破壊したり、実際には感染対策にならないにもかかわらずワクチンパスポートのような管理社会を推し進めることを行うなど、政治的に利用することも大いにあり得るのではないだろうか。

NEW – WHOパンデミック条約。選挙で選ばれたわけでもない国際保健機関に、抜本的な新権限が付与される寸前である。

ワクチン・パスポート、グローバル・監視体制などを、新たに推進。

NEW – WHOは、ドイツテレコムの子会社のT-Systemsと契約し、世界中の全ての人をQRコードデジタルIDにリンクさせる計画で、グローバルワクチンパスポートシステムを開発という情報もある。

カナダの国会議員であり、国際的な経験を持つ弁護士であるレスリン・ルイスは、この条約によって、WHOが一方的にパンデミックの構成要素を決定し、パンデミックが発生したときに宣言できるようにもなると警告している。「結局、全世界を対象にした画一的なアプローチになってしまう」と同氏は警鐘を鳴らす。WHOの計画案では、パンデミックは感染症に限定する必要はなく、例えば、肥満の危機が宣言された場合も含まれる。

この計画の一環として、WHOはドイツに本社を置くドイツテレコムの子会社T-Systems社と契約し、グローバルワクチンパスポートシステムを開発し、地球上のすべての人をQRコードのデジタルIDにリンクする計画だ。「改ざんができず、デジタルで検証可能なワクチン接種証明書は、信頼を築きます。そのため、WHOは加盟国が国や地域の信頼ネットワークや検証技術を構築することを支援しています」とWHOのデジタルヘルス&イノベーション部門の責任者であるGarret Mehlは説明している。(Deepl翻訳) – The WHO Treaty Is Tied to a Global Digital Passport and ID System

緊急事態を名目に、強大な権限を集中させる。その手にした力は、簡単に手放すこともないだろう。

エドワード・スノーデン(元NSA,CIA)

元NSA、CIAのエドワード・スノーデン氏の言葉は、いっそう重いものとなる。「危機から生まれた非常事態宣言下の権限は、歴史上いつも悪用されてきた。悪い冗談のようだが、非常事態が終わらない」。

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