コロナワクチン接種後の帯状疱疹
帯状疱疹が急増、という記事が、BSS山陰放送から出ていた。日付は2022年4月5日。
帯状疱疹の急増に関し、コロナ禍のストレス以外の原因として、コロナワクチン接種後の副反応の可能性が挙げられている。
近畿大学医学部皮膚科学教室 大塚篤司 主任教授 「私が近畿大学で患者さんを診ている限りでは、去年の春から夏にかけては、患者さんが非常に多く増えた印象があります。だいたい1.5倍~2倍くらい患者さんを診た印象はあります」 – 「帯状ほう疹」患者が急増 3回目接種後に発症した男性(20代)の場合は…
帯状疱疹を発症した男性(20代) 「コロナワクチンを打ってから10日後ぐらいだったので、心当たりがあるとしたらそれくらいだと思っています。クリニックも2つ行ってみて、最初発症してから月曜日に受診したクリニックと、熱に出た日に受診したクリニック、どちらともで「コロナワクチン接種後に帯状ほう疹が出た人が数人いる」と言われました」 – 「帯状ほう疹」患者が急増 3回目接種後に発症した男性(20代)の場合は…
昨年の厚別ひばりクリニックのブログにも、「コロナワクチン後の帯状疱疹が増えています」というタイトルの記事が出ている。
以前、「新型コロナウイルスワクチン接種後に、単純ヘルペスや帯状疱疹になる方が増えている」という海外の論文が発表になり、話題になったのですが、日本でもやはり増えている印象です。
帯状疱疹は子供の頃にかかった水疱瘡のウイルスが、体力低下したときや加齢により再活性化して、皮膚に発疹、激しい神経痛を生じる病気です。神経の走行に沿って、体の半分に帯状に出るのが特徴です。
海外の報告では、新型コロナウイルスワクチン接種後に、口の周りなどに出る単純ヘルペスと帯状疱疹が、約14%の方にみられたそうです。– コロナワクチン後の帯状疱疹が増えています
Twitterでも、父親がワクチン接種後に帯状疱疹になったものの、報告してほしいと言ったら、医師に「症例がないから」と言われた、という声がある。
私の父もワク💉2回目後すぐに発疹がでて帯状疱疹になり、救急車で運ばれ入院。ワク💉後の副反応なので、国に報告して欲しいと言いました。ネットにも帯状疱疹の報告が溢れてたし。でも医師は、症例はないから…ときっぱり。だったら尚更報告して下さいといいました。結局ケンカも出来ずうやむやに…😂 pic.twitter.com/PMROaX488D
— adgjmptw (@adgjmpt13222537) February 23, 2022
医者は接種している側なので、報告にブレーキがかかるのかもしれない。
ただ、症例がないから、という理由で、誰も報告をしなかったら、情報自体集まらないのではないだろうか。
冒頭の記事のなかで大塚教授は、コロナワクチン接種後の帯状疱疹について、「コロナワクチンを打ったことによって、イメージとして、脊髄のところにいた免疫が駆り出されて、ほかの免疫のところに働いたために、ヘルペスが増えやすくなったというのは論文等でいわれています。」と説明している。
この話でいくと、増加するのは、「帯状疱疹」だけに限ったことではなくなるのではないだろうか。
昨年、宮沢准教授が危惧したような、この辺りの「リスク」はどうなっているのだろう。
宮沢孝幸(ウイルス学)「私たちが危惧し、恐れていることは、接種した人が逆にコロナに対して脆弱になること。これはコロナに関する限り、あり得ること。もう一つは、接種によって今はコロナに対抗できているものの、他の感染症に脆弱になる可能性がある、ということ。」 pic.twitter.com/GZLiF6X1Yl
— 付箋 (@KDystopia) July 11, 2021
大塚教授は、帯状疱疹は治療薬もある、コロナのほうが怖いから、「バランス」を考えれば、コロナワクチンを打ったほうがいい、と言う。記事の最後では、50歳以上の方には帯状疱疹ワクチンも、と勧める。
ちなみに、ファイザーは、新型コロナワクチンと同じく、帯状疱疹向けのmRNAワクチンの開発を発表している。
米Pfizer社とドイツBioNTech社は2022年1月5日、mRNAベースの新たな帯状疱疹ワクチンの研究開発および商品化に関する協力契約を結んだと発表した。– Pfizer社と独BioNTech社、帯状疱疹mRNAワクチンの開発で協力
臨床試験は2022年後半の開始予定とのこと。
大塚教授が言うような、ワクチン接種後に帯状疱疹になっても、薬を使えば治る、帯状疱疹ワクチンもある、だからコロナワクチンも打ちましょう、というのが、本当に「バランス」を考えられた判断なのだろうか。
一方で、この記事のYahooコメント欄には、次のような声も書き込まれている。
2回目のワクチンで帯状疱疹になりました。薬もあるし、治るからワクチンを打った方が、いいというのは本当だろうか、一週間分の抗生物質の後はなかなか痛みが癒えず、薬もほとんど気休め、かれこれ半年近くなるけど未だに疼く。 – 「帯状ほう疹」患者が急増 3回目接種後に発症した男性(20代)の場合は…
バランスを考えたらコロナワクチンを打ったほうがいい、というのは、少なくとも、身体の「バランス」を著しく欠いた考え方のようにも思える。
もっと言えば、政府やメディアのワクチンに関する情報発信の「バランス」も、ずっと偏り続けているのではないだろうか。
3回目のワクチン接種を迷われている方もいるでしょう。不安がある方もいるでしょう。しかし、自分のため、仲間のためにも、一歩ずつ進まなくては。
私も、3回目を打ちました。3回目接種で、安心というタスキを未来へつなぐために。 pic.twitter.com/x7DWKfWfzW— 内閣府政府広報オンライン (@gov_online) April 1, 2022
接種後も、普通に感染している(参考 : ワクチン接種率90% – ブースター接種率67% – 超えたシンガポール…100万人当たり感染者数が世界1位に)なかで、「仲間のために」「安心というタスキ」とは、あまりに強引で情緒的な、不気味ささえ覚えるCMだと思う。